
島ナイチャーの沖縄ガイド

おすすめの書籍(ジャーナリズム)
沖縄戦の歴史や、戦跡、米軍基地や安全保障など、沖縄を取り巻く現状を理解するのに役立つ書籍を紹介します。特に私が沖縄で平和ガイドを行う際に話す知識や情報がまとまった書籍などを整理しています。
萩元 晴彦, 村木 良彦, 今野 勉『お前はただの現在にすぎない
―テレビになにが可能か』(田畑書店,1969)
「テレビとは何か」を徹底的に考察した一冊。TBSに村木良彦あり。テレビ報道に関わる多くのジャーナリストのバイブルとなった名著。村木良彦、今野勉らはTBS退職後には日本初の番組制作会社「テレビマンユニオン」を創立し、テレビ局による独占的な放送業界に一大旋風を巻き起こす。そんな村木らが書いた「お前はただの現在にすぎない」は、権力や芸術によって再編成されうる『時間』をただ「ありのまま」に呈示することで、テレビの存在意義を示そうとする試みだった。半世紀を超えても色褪せるどころか、現在のテレビに対する痛烈な問題意識を提示する。「テレ ビが堕落するのは、安定、公平などを自ら求めるときだ」という言葉が、現在のテレビ業界に重くのしかかる。
後藤 文康『誤報―新聞報道の死角』(岩波書店,1996)
メディアの犯してきた誤りをちゃんと学ぶならこの一冊。メディアにおける「誤報」はジャーナリズムに関わる全ての人に重くのしかかるテーマで、決して目をそらせない話である。過去の有名な問題は一通り扱われており、意図的な「捏造」も取り上げているため、メディアを「読む・見る・聞く」立場の姿勢も鍛えられると思う。単に面白おかしく読まれる記事を書くこと、ページビューを増やすことを追及してはジャーナリズムは破綻するが、どんなに真っ当な記事を書いても読まれなければしょうがない。そういう葛藤と向き合いながらジャーナリズムの意味を考えるのに非常に良いテキストだと思う。
Bill Kovach, Tom Rosenstiel 『The Elements of Journalism:
What Newspeople Should Know and the Public Should Expect』
(Crown,2001)
言わずと知れたジャーナリズムの教科書。ジャーナリズムを学ぶ者なら一度は手に取る古典的名著。コーヒーハウスから始まったジャーナリズムの潮流を見事に分析し、現代のジャーナリズムを痛烈に批判している。ジャーナリズムが守るべき原則を整理することは、メディアに関わる人間だけでなく、市民一人ひとりがジャーナリズムの意味を捉える意味でも重要なことであり、「ジャーナリズムとは何か」という普遍的なテーマを考え続ける道しるべになる一冊だと思う。日本語訳も出ているが、日本語訳があまり親切ではない(というよりは回りくどい)ため、英語に自信がある方は原著を読むことをお勧めする。
金平 茂紀『筑紫哲也『NEWS23』とその時代 』(講談社,2021)
かつて日本のテレビ報道を牽引した『筑紫哲也NEWS23』の時代を、筑紫哲也とともに作り上げてきた金平茂紀キャスターが記録した書。Watch Dog, Minority, Diversity という筑紫哲也が残した「『NEWS23』のDNA」は引き継がれているのかを自問自答しながら、かつて存在した自由で誠実な、夢中になって面白がれるテレビ報道の時代を教えてくれる、そんな一冊。綿々と受け継がれてきたジャーナリズムのDNAを、ジャーナリズムに関わる全ての人へ、そして何より次の世代のジャーナリストたちへと "伝承" していく試み。権力を監視すること、少数派であることを恐れないこと、多様な意見や立場をなるべく紹介して社会に自由の気風を保つこと…。非常に悪い方向へと向かうこの社会で、その "松明" を受け継いでいくことの意味を考えさせられる。






